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MPC使いのサンプリング技

ギターやシンセなんかは色んなテクニックが有名だけど、 サンプラーはまだ歴史も浅いし、サンプラーのテクニックってあまり語られる事がないみたいです。 フレーズ並べる為に特化したソフトやフレーズライブラリの登場以降、サンプラーはただ、 フレーズパクって並べる物って思われてる部分もあるような… 勿論、フレーズサンプリングもとっても大切でセンスの問われる手法ですが、 ここではハードサンプラーならではのテクニックを古今東西から知ってる限り書いてみました。 甘い、こんな技あるぜみたいのあったらBBSにお願いします。

LO-FI

まずは定番という事でローファイ編から。

33回転のレコードを45回転で回してサンプリング。 MPCでピッチを落としてローファイな音の出来あがり。結構有名な手法なので知ってる人はうんざりかな笑。 もっと強引な技としては、手でレコード早回ししちゃってサンプリング。 微妙なよれ加減も加わり、サンプリングタイム短く済んでメモリ節約にもGOODですが LO-FI過ぎるのでトリップホップとか効果音用途以外には余り意味無いかも。 こういう技はサンプリング周波数が低くなってLO-FIになるって事だけど、実際やるのと コマンド等でサンプリング周波数下げるのとはまたちょっと違うニュアンスになります。 フォノイコライザー通ってる音のピッチが下がるから当然でしょうか。

応用辺として、MPCでピッチを上げてカセットに録音、 MPCに戻してピッチを下げるっていうのも、テープのニュアンスが加味されて また違う感じになります。これはピッチ上げる量でサンプリング周波数をコントロールできます。 MPCで事前にピッチをあげた分だけ、後でピッチを下げた時にサンプリング周波数は下がって ハイ落ちした音になります。

あと、有名なのはE-muのSP1200を使ったり、AKAI S900等の12ビット機を使ったり、ZOOMのエフェクターを使うっていうのがありますけど 僕はやったこと無いから詳しいこと言えないのでやってみて良かったら聞かせてください。

MPC2000XLではリサンプリングコマンドで、ビットを下げたり、サンプリング周波数も変えられるので これも併用するともっと色々質感が変わります。でも、このコマンドは処理が重いのでメモリを フルに近く使いきった状態でやるとなかなか終わらないです。本当に。タイムストレッチよりは早いけど。 ちなみにタイムストレッチはボイスサンプルにかけて思いっきり引き伸ばすと 昔のジャングルとかDrum&Bassで良く使われてた声になります。

LO-FI的手法って有名だけれども、何でもLO-FIに汚せば良いってもんじゃないし、 狙い通りに気に入った質感にするのは結構大変だと思います。 別の綺麗なサンプルと組んで、質感が違うのを混ぜたりするとギャップがでて面白いです。 最初から最後までずっと汚れてたら、それはただ録音状態が悪い曲って感じになっちゃう危険も。

エセHI-FI編

LI-FIは有名な手法で定番だけど、若干古いかなと思います。 んな訳で、僕が考えたオリジナルな名付けてエセHI-FIサンプリングのやり方教えちゃいます。

なんか適当にサンプリングして下さい。あんまり綺麗に録れなくても良いです。 打楽器系が好ましいです。サンプリングしたら、MPCでピッチを150下げてください。 次にカセットテープに録音します。カセットに録音したら、今度はそれをMPCに戻します。 次にサンプルのスタートポイントジャストで波形をトリミングします。 それが終わったらMPCでピッチを180上げてください。

これで古臭いスネアの音もめちゃくちゃタイトでリッチな音(当社比)になります。

まあ、サンプル的にはピッチを30上げてるだけなんですが 間にカセットを挟むことで、MPCでピッチを上げたとき、 カセットのノイズ成分等も上に逃げて、カセットの周波数的特性が 上にシフトしていく感じで音が変わるのと、後から180ピッチを上げてるので トリミング時のスタートポイントのジャストさが2倍になってスピーディに音が鳴るわけです。 もちろん、高域は豊かなニュアンスになりますが、低音は薄くなります。 でも、EQとは違って自然なニュアンスです。

キックなんかにやると、ペタンとした音になります。 これに胴鳴りのブーンとした音を、アタック遅めで足すと 良いキックになります。

エセ空間を作る

MPC2000XLに付けられるEB16のリバーブってあんまり好きじゃない人多いと思います。 このリバーブを精一杯使ってトリッキーな技をたくらんでみましょう。

一つ目のやり方です。スネアにリバーブをかけるとして、そのリバーブだけパラアウトから出して カセットに録音して下さい。それでリバーブだけをリサンプリング。 このリバーブのアタックを変えたり、ピッチを変えたり、フィルターに突っ込んだりで遊びます。 劇的に空間が変わるので面白いです。リバーブサンプルだけ、波形をリバースすると マルチエフェクターとかについてるリバースリバーブが出来ます。

二つ目のやり方でもっと簡単だけど効果は大きいです。 スネアにリバーブをかけたい場合、スネアにリバーブはかけません。 リバーブかけたいスネアと、別の任意のサンプルを同時に鳴る設定にして下さい。 別のサンプルだけリバーブに送って、このサンプルはステレオアウトから出さない設定にして リバーブ成分のみのサンプルにします。 これで、色んなカラーの空間をスネアに付加する事ができます。 リバーブ側のサンプルのピッチを変えたり弄ることで手軽に色々面白いことが出来ます。

あまり語られる事のない波形編集の裏技

もったいぶったタイトルだけどヤフオク儲け情報ではありません。 やってる人はやっている、主にパーカッションの音を作る方法です。

アタックの良いサンプルと、余韻の美しいサンプルを二つ用意します。 アタックの良いサンプルは、波形編集で思いっきり切るか、サイレンスさせて、最初のアタックの部分だけにしちゃいます。 これだけでは使えないけれど、これを、余韻の美しいサンプルと重ねます。 サステイン側のサンプルはアタックをサイレンスにしちゃったり、重ねて打ち込んで アタックタイムが遅くなるように設定しましょう。 これで色んなスネアの音も作れるし、ジャックしたサンプルも生まれ変わります(しめしめ)。

サンプルカットする時は、波形が真中の線と交わる0クロスポイントでカットしましょう。 じゃ無いと、プツって音が鳴っちゃうので注意。

フレーズでもワンショットでも無い、ツーショットの薦め

ツーショットと言っても出会い系ではなくてサンプリングの話です。これをやっても 「ミカ160センチDカップ 今別れたばっかりでさみしいんだぁ、メールしてね(・_・)」には出会えません。 出会う以前に相手は男だ、間違いない。

話がそれましたが、ツーショットサンプリングの手法です。 フレーズを最初から最後まで鳴らすのではなく、キックだけ取り出したりするのではなく、 「ドンチッタッチカ」というサンプルがあったら、「ドンチ」「チカ」等 少し音が繋がるくらいで切ります。 これを任意に配置していくだけで、ワンショットで普通に組んだだけでは作れない 少しトリッキーなリズムが簡単に作れます。

これこそリズムが打ち込みやすいサンプラーであるMPCの醍醐味かなーと思います。 リズムがBPMにあってなかったら、少し間をカットしたり、ピッチを変えたりして かっちり合わなくても、付点音符とか3連のタイミング内に合うようにするとGOODです。

スウィングを作るとっておきの方法

思い通りのグルーブにする為にクオンタイズで微妙に位置をずらしてる人って多いと思います。 でも、もっと簡単な方法があります。

打ち込む時に、ずらしたいサンプルをコピーして、それを別パッドに割り当てます。 ずらしたい部分はコピーした側のサンプルを打ち込みます。 次に、波形のトリミングを使って、ずらしたい側のスタートポイントを調整するだけです。 これで微妙な発音タイミングの調整ができるし、何より楽です。

これを使えば、全部16の分解能で打ち込んじゃってOK! 微妙なニュアンスはスタートポイントで自由自在。



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